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ひとりのろう者からあなたへ

ろう者として生まれて感じた社会の壁と合理的配慮とは

聴覚障害って何? ~聞こえ方の誤解について~

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聴覚障害・・・ぱっと見ると、「耳が聞こえない」ということになりますよね。

でも、実は聴覚障害といっても色々あるのです。

ここでは、それをまとめていきます。

 「耳が聞こえない」にも色々ある

例えば、目が見えない人を例に挙げてみましょう。

ひとくちに目が見えないといっても色々とあることは知っていますよね?

知らない方のために、簡単に説明すると・・

 

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こんなふうに、人によってはこういう風に見えるということもあります。

目が見えない=全て真っ暗闇、とは限らないのですね。

 

これと同じで、耳が聞こえないにも色々とあるのです。

 聞こえる=音の判別ができる、のは違う!

それでは、人によって違う聞こえ方についてまとめていきますので、ひとつの例として参考にしてくださいね。

 

まずここで1つ、皆さんに気を付けてほしいことがあります。

それは、

 

「耳が聞こえない人にとって”聞こえる”ということは、 音の判別ができる、ということではない」

 

ということです。

 

これはどういうことか?というと・・・。

 

皆さんは「補聴器をつければ聞こえる」と聞くと、「補聴器をつければ健常者と全く変わらないくらいに聞こえる」と思ってしまいませんか?

 

でも、実は違うのです。

補聴器をつけたら確かに「音」は耳に入ってきます。

 でも、その音が「何の音なのか」を判別することが難しいのです。

例えば、車が走っている音、救急車やパトカーの音などはほぼいつでも同じなので、「あ、これは救急車かパトカーかな」という判断はできます。

でも、人が話している声は「誰かがお話ししている」ということは分かっても、「何と言っているのか」は分からないというのがほとんどなのです。

 

つまり、「話している声は聞こえるけど、その声だけではなんと言っているのか分からない」ということですね。

 

なので、ひとくちに「聞こえる」といっても「音の判別ができる」とイコールではないことは皆さん、頭に入れておいてもらえると嬉しいです。

 

では次に、ようやく本題。

 

人によって様々な聞こえ方

ここでは、補聴器を付けた場合の聞こえ方についてまとめます。

実は他の方が何年か前にまとめてくださったものがあるのですが、今はそのブログがないので改めて自分なりにまとめてみました。

 

※この記事では、区別を分かりやすくするために難聴者を補聴器である程度聞き取れる人、ろう者を補聴器でも聞き取れない人としています。

 

1:健常者の場合

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はっきりと聞こえていますね。

 

2:難聴者の場合(難聴の程度にもよりますが、1つの例として)

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ところどころ聞こえてないということが多いです。

その他のところはただのノイズになります。

 

3:ろう者の場合(きこえの程度にもよりますが、1つの例として)

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全く聞き取れていません。

ほぼ全てがただのノイズです。

 

このように、「聞こえる」=「聞き取れる」のは同義ではない、ということは分かっていただけましたでしょうか?

 

そして、もしあなたがこれを理解できれば、私たちは以下のような誤解を防ぐことができるのです。

 

「聞こえる」=「聞き取れる」の誤解

「補聴器を付ければ聞こえる」ということは、決して健常者と同じように聞こえる、ということではありません。

しかし、世の中にはそれを知らない人が多く、そのために以下のような誤解が起きています。

 

誤解その1:後ろから呼んだら振り返った

よくあるのが、「後ろから呼んだら振り返った!聞こえてるじゃないか!」というケース。

後ろから呼んだら振り返った、というのは、単に「自分が呼ばれていると分かったから振り返った」ということではなく「後ろで何か音がしたから、何かな?と思って振り返った」「呼ばれた気がして何となく振り返った」ということの方が多いです。

また、自分を呼んでいる、ということが分かったとしても、聞こえていたのは「おーい」なのか「もしもーし」なのか「〇〇さーん」なのか・・ということまでは分かってないということも多いです。

なので、「後ろから呼んだら振り返った!聞こえてるじゃないか!」と怒ったり、「聞こえないなんて嘘だよね」と言ったりするのはやめてあげてほしい、と思います。

 

誤解その2:聞こえてる?と聞いたらうなずいたから聞こえてるはず!

これもよくあるのですが、例えばグループでの会話や講演などでろう者難聴者に向かって健常者が「聞こえてますか?」と聞くと、「はい」とうなずくことがあります。

ここで、「あ、大丈夫なんだ」と思ってしまいそのままベラベラしゃべってしまう。。という誤解がよく発生しています。

ここでろう者難聴者がどうしてうなずいてしまうのか、というと。。

ろう者難聴者にとって「聞こえてる」というのは、「補聴器から音が聞こえている」ということであって、「あなたの話が聞き取れています」「なんと言っているのか分かっています」ということではないことが多いからです。

ここはろう者難聴者と健常者の認識の違いから起こる誤解だと思います。

 

なので、こういう時は、「聞こえてますか?」というより「私がなんと言っているか聞き取れていますか?」というふうに言葉を置き換えて聞くようにしてもらえるとありがたいです。

 

その他にも色々とありますが、だいたいは上記2点がよくある誤解ですね。

 

 言い換えれば、この2点を覚えておけば誤解やすれ違いは防げるのではないでしょうか。

 

まとめ

ここまで読んでいただければ分かるかと思いますが、補聴器は決して万能ではありません。

また、補聴器は健常者と全く同じようにしてくれる魔法の機械ではありません。

それを頭に入れておいてもらえると、今よりはもっとスムーズな関係を作っていくことができるかなと私は思っています。

 

そしてここでは書きませんでしたが、

 

〇聴覚障害にも色々な種類があります。

〇耳が聞こえない人はみんながみんな補聴器をつけているわけではありません。

〇聴覚障害者との話し方・気を付けるべきこと

 

・・・などなど、伝えたいことは色々とあります。

これについてもまた別の記事に書いていきますので、楽しみにしていてくださいね。